老齢基礎年金とは、かんたんに言うと、年をとったらもらえる国民年金のことです。
老齢基礎年金を受け取るには、原則として25年以上の加入期間が必要です。
加入期間というのは、次の5つの期間の合計をいいます。
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国民年金の保険料を収めた期間(任意加入期間も含む)
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国民年金の保険料免除を受けた期間
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昭和61年4月からの国民年金の第2号被保険者
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昭和61年4月からの国民年金の第3号被保険者
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昭和36年4月から昭和61年3月までの厚生年金保険等(厚生年金保険・船員保険・詳細組合)の加入期間
<加入期間の要件>
原則:保険料納付済期間+保険料免除期間+納付特例期間=25年
特例:保険料納付済期間+保険料免除期間+納付特例期間+合算対象期間=25年
<年齢の要件>
原則として65歳になったときに支給
<年金額>(平成27年度額)
$$780,100円\times\frac{\left(保険料を納めた月数\right)\times\left(保険料を免除された月数\right)\times\left(免除の種類に応じて\frac{7}{8}~\frac{1}{2}\right)}{\left(加入可能年数\right)\times12}$$
【加入可能月数】
生年月日 | 加入可能年数 |
大正15年4月2日~昭和2年4月1日以前生まれ | 25年(300月) |
昭和2年4月2日~昭和3年4月1日以前生まれ | 26年(312月) |
昭和3年4月2日~昭和4年4月1日以前生まれ | 27年(324月) |
昭和4年4月2日~昭和5年4月1日以前生まれ | 28年(336月) |
昭和5年4月2日~昭和6年4月1日以前生まれ | 29年(348月) |
昭和6年4月2日~昭和7年4月1日以前生まれ | 30年(360月) |
昭和7年4月2日~昭和8年4月1日以前生まれ | 31年(372月) |
昭和8年4月2日~昭和9年4月1日以前生まれ | 32年(384月) |
昭和9年4月2日~昭和10年4月1日以前生まれ | 33年(396月) |
昭和10年4月2日~昭和11年4月1日以前生まれ | 34年(408月) |
昭和11年4月2日~昭和12年4月1日以前生まれ | 35年(420月) |
昭和12年4月2日~昭和13年4月1日以前生まれ | 36年(432月) |
昭和13年4月2日~昭和14年4月1日以前生まれ | 37年(444月) |
昭和14年4月2日~昭和15年4月1日以前生まれ | 38年(456月) |
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日以前生まれ | 39年(468月) |
昭和16年4月2日以後 | 40年(480月) |
<振替加算>
昭和61年4月1日以後は、第2号被保険者の被扶養配偶者(たとえば専業主婦だった方など)もすべて国民年金に加入することになりました。しかし、60歳近い人で、昭和61年4月1日までに国民年金に任意加入していなかった方の老齢年金はとても低額になります。こういう方の救済のために振替加算という制度があります。
老齢厚生年金または障害厚生年金(1,2級)の加算対象となる被扶養配偶者(大正15年4月2日~昭和41年4月1日生まれ)には、224,500円が加算されます。以後、昭和41年4月1日生まれの方までは生年月日により政令で定められた率を乗じた額が加算されます。
ただし、被扶養配偶者自身の厚生年金保険の加入期間が20年以上あり(中高年例の特例者は15~19年以上)、老齢厚生年金を受け取る場合には加給年金は支給されません。
<支給開始年齢の特例>
(1)支給の繰り上げ
老齢基礎年金は65歳から支給されますが、60歳から64歳までの希望する年齢から支給してもらうこともできます。
ただし、年金額は繰り上げ請求をしたときの年齢に応じた減額率を乗じて得た金額を減額されます。この場合65歳以降もずっと減額された金額で年金が支給されます。
【減額率】
昭和16年4月1日以前に生まれた者の減額率は請求時の年齢により
42%~11% 。
昭和16年4月2日以後に生まれた者が繰り上げの請求をする場合、0.5%
に、支給の繰り上げを請求した月から65歳の誕生月の前月までの月数を乗じて得た率。
$$新減額率=0.5\%\times繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数$$
繰り上げを請求したときの年齢 | 減額率 |
60歳 | 30%(60月×0.5) |
61歳 | 24%(48月×0.5) |
62歳 | 18%(36月×0.5) |
63歳 | 12%(24月×0.5) |
64歳 | 6%(12月×0.5) |
(2)支給の繰り下げ
支給年齢を65歳以降に繰り下げて請求をする場合、受給権を取得した日から繰り下げの申し出をした月までの期間に応じた増額率を乗じて得た額が支給されます。
【加算率】
昭和16年4月1日以前に生まれた者の増額率は受給権を取得した月から支給の繰り下げの申し出をした月までの期間に応じて
12%~88% 。
昭和16年4月2日以後に生まれた者が繰り下げの請求をする場合、0.7%
に、受給権を取得した月から支給繰り下げの申し出をした月の前月までの月数を乗じて得た率。
$$新加算率=0.7\%\times65歳になった月から繰り下げ申し出月の前月までの月数$$
受給権を取得した月から支給の繰り下げの申し出をした月までの期間 | 増額率 |
1年(12月×0.7) | 8.4% |
2年(24月×0.7) | 16.8% |
3年(36月×0.7) | 25.2% |
4年(48月×0.7) | 33.6% |
5年(60月×0.7) | 42% |
<失権>
受給権者が死亡したとき老齢基礎年金の受給権は消滅する。
掲載日:2015-06-15本ページの記述は平成14年(2002年)時点の法律に基いています。現在の法律とは異なる場合があります。