今回は、厚生年金の適用がない会社に勤務することになった男性からのご相談です。
平成12年5月に書かれたコラムです。現在の法律とは異なる場合があります。ご注意ください。
転職しました。以前勤めていた会社では厚生年金に加入していましたが、今度の会社は厚生年金の適用がありません。将来の年金はどうなってしまうのでしょうか。(男性、32歳)
◆厚生年金の適用がある?ない?
サラリーマンが厚生年金に加入できるかどうかは、勤めている事業所が厚生年金の適用事業所なのかどうかできまります。
株式会社や有限会社などの法人の会社は厚生年金の強制適用事業所ですし、個人事業所でも常時5人以上の従業員がいる場合には、原則として強制適用事業所になります。それ以外の事業所は、任意適用事業所ですから無理に厚生年金に加入する必要はありません。
また、ここ最近では、不況の影響で社会保険料の納付ができなくなった事業所が厚生年金から脱退し、結果的に従業員が厚生年金に加入できないケースも多いようです。
◆国民年金加入の手続きを
厚生年金の適用がない事業所に勤務する場合には、国民年金に加入することになります。相談者の場合には、以前の会社を退職してから14日以内に、住所地の市区町村役場の国民年金課に届出をしてください。(14日以上たってしまった場合には、急いで!)
国民年金に加入すると各月の保険料を自分で納めることになりますが、毎月、窓口に納めに行くのは結構大変です。ついつい保険料を滞納してしまうなんてことのないように、保険料の口座振替や一定期間分の前納をお勧めします。また、前納制度を利用すると、保険料が割引きになりますから、お得ですね。
◆ちゃんと納めてしっかり貰おう
相談者が、これまで厚生年金に加入していたことは、将来の年金にちゃんと反映されます。
相談者が、60歳まで国民年金の保険料をすべて納めたなら、65歳から満額の老齢基礎年金(国民年金)と厚生年金に加入していた期間分の老齢厚生年金が同時に支給されますからご安心ください。
金額(1人当たり) | 月額13,300円 前納の場合:年額155,750円 |
納付場所 | 住所地の市区町村役場 口座振替の場合は、直接取引金融機関に申込 |
保険料支払いにおける所得控除 | 年末調整や確定申告の際に、全額「社会保険料控除」の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。 |