211.私的年金に加入したいと思っていますが、給付金額をどの程度に設定したら良いのか悩んでいます。私的年金以外の給付額が幾らになるかによって、私的年金額を決めたいのですが、どのように考えたら良いかアドバイスを頂戴できれば幸いです。(男性、1966年生まれ)
相談者の年齢から考えますと、年金を受給するのはまだ先の話ですね。今回、試算した金額は現行法に従って平成12年度の数字をもとにして計算していますし、平均標準報酬月額も仮定の金額にしましたから、実際に受給する金額とは異なることを申し上げておきます。
<相談者の年金>
相談者が60歳までお仕事を続けたと仮定します。さらに、最初の就職から60歳の退職までの期間はすべて厚生年金保険に加入していて、その間の平均標準報酬月額を30万円(仮定)であったとして、試算してみました。
老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに65歳からの受給になります。
金額は老齢基礎年金が年額約80万円、老齢厚生年金が年額約107万円
また、もし奥様の厚生年金保険の加入期間が20年未満であれば奥様が65歳になるまでのあいだ相談者の老齢厚生年金に年額約40万円(配偶者加給年金)の加算があります。相談者の場合には、約1年間の支給ですね。
<奥様の年金>
奥様が37歳までお仕事を続けたと仮定します。さらに、最初の就職から37歳の退職までの期間(19年間)はすべて厚生年金保険に加入していて、その間の平均標準報酬月額を25万円(仮定)、退職後は相談者の扶養となり国民年金に第3号被保険者として加入、相談者が退職して後、60歳までのあいだは第1号被保険者として国民年金に加入したと仮定し、試算してみました。
64歳から老齢厚生年金:年額約40万円
65歳から老齢基礎年金:年額約80万円
次に奥様が60歳までお仕事を続けたと仮定します。さらに、最初の就職から60歳の退職までの期間はすべて厚生年金保険に加入していて、その間の平均標準報酬月額を27万円(仮定)であったとして、試算してみました。
64歳から老齢厚生年金:年額約96万円
65歳から老齢基礎年金:年額約80万円
平成11年度の年金改正で年金の支給開始年齢は60歳から65歳へと変化しつつあります。しかし、それに伴い65歳定年制を設ける会社も増えてくるとは思いますが、現状ではまだ大手企業が動き出した程度です。また、定年年齢が65歳になったとしても、60歳以降の賃金は低下することになるでしょう。
給与所得が低下し、年金はもらえない60歳から65歳のあいだをどうつなぐかが問題になってくるかもしれませんね。(年金は前倒しで60歳から受給することもできますが、その場合には30%の減額となります。)
(2000.7.9掲載)
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