238.支給繰り下げ制度についてお尋ねします。私は1938年5月生まれで、平成11年3月で定年となり、その後同じ会社で嘱託として1年ごとの契約で働いております。年金の請求はまだしておりません。一度繰り下げの手続きをしたら65才までは年金は貰えないのですか。1年契約ですので、途中で働けなくなった場合心配です。また、私の場合、老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに繰り下げが可能ですか。(男性、1938年生まれ)
まず、公的年金の繰り下げについて少々誤解してらっしゃるようですので、その仕組みをお話しします。
公的年金の繰り下げとは、65歳から支給される年金を66歳以降に受給することをいいます。例えば、67歳からもらい始めた場合には、65歳から67歳までの2年間の年金はもらわないことにして、その分67歳以降の年金額をちょっと割り増してもらうわけです。
繰り下げた年金をもらうためには、66歳以降で年金の支給を希望するときに年金の裁定請求とともに繰り下げの申し出をしなければなりません。
また、この繰り下げの申し出は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行うものであり、一方のみを繰り下げることはできません。
ところで、相談者は62歳ですから現在もらうことにできる年金は65歳前の老齢厚生年金になります。この年金は、65歳以降支給される老齢厚生年金や老齢基礎年金とは別のものです。65歳以降の年金のように繰り下げて受給することはできません。また、相談者のようにお仕事をされている場合(厚生年金に加入している場合)、お給料の額に応じて年金の全部又は一部が支給停止になります。
お給料の額によっては年金の一部が支給される場合もありますので、社会保険事務所に行って相談してみてください。繰り上げ支給制度がないのですから、請求しないと損ですよ。
(2000.11.8掲載)
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