111.厚生年金の支給開始年齢が遅くなるそうですが、どうして女性は5年遅れで実施されるのですか。(女性、既婚、1951年生まれ)
そうですね。老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引き上げ(平成6年改正)もそうですし、今回の改正も5年遅れ、ちょっと不思議に思われるかもしれませんね。
これを説明するためには、昭和61年度より前の老齢厚生年金のお話をしなければなりません。かつて、老齢厚生年金の受給開始年齢は、男性が60歳、女性が55歳となっていました。これは、会社の定年年齢を考慮したものでしたが、だんだん女性も男性と同じように働くことが普通になり定年年齢も見直されるようになりました。
そして、男女雇用機会均等法が制定された昭和61年4月、老齢厚生年金の支給開始年齢も男女とも60歳と改められました。しかし、今まで55歳だったものを突然60歳まで引き上げるわけにもいきませんから、ここでも経過措置がもうけられ徐々に引き上げを行うこととなたのです。
実は、この引き上げが完了し、女性に老齢厚生年金が60歳からの支給となるのは平成12年度、ちょうど今年というわけです。
これで、定額部分の引き上げ(平成13年度から)と報酬比例部分の引き上げ(平成 から)を男性と同時に行ってしまうと変化が急激すぎてしまいまうため、5年間のインターバルを設けているのです。
(2000.5.3掲載)
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