155.夫妻とも30年以上会社勤務していています。厚生年金の受給金額についてどちらかカット支給されるのでしょうか。(男性、1940年生まれ)
基本的な年金額はカットされることはありません。しかし、配偶者に対する加給年金が加算されません。(結果的に振替加算もありません。)
加給年金とは、被保険者期間が240ヶ月以上ある人に対して支給される老齢厚生年金に加算されるものです。加算の要件は、年金の受給権を取得した当時、その者によって生計を維持していた配偶者と子がいることです。子については、年齢の要件等があります。
相談者の場合には、夫婦どちらにも配偶者に対する加給年金の加算があり得るわけですが、次の支給停止事由によりどちらの加給年金も支給停止となってしまいます。
「加給年金額が加算された老齢厚生年金については、加給年金の加算が行われている配偶者が、老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240月以上であるものに限る。)、障害厚生年金、国民年金法による障害基礎年金、共済組合が支給する年金たる給付、私立学校教職員共済法による年金たる給付その他の年金たる給付のうち、老齢若しくは退職又は障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの支給を受けることができるときは、その間、当該配偶者について加算する額に相当する部分の支給を停止する。」(厚生年金保健法46条)
もともと加給年金額は、家族(扶養)手当みたいなものですから、一人前の年金収入がある配偶者は対象外ということでしょう。
(2000.6.3掲載)
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