205.今まで会社の厚生年金に加入しておりましたが、今度転職する先は、国民年金に加入しなければならないそうです、今まで払ってきた厚生年金は無駄になるのでしょうか?それと、国民年金は厚生年金に比べて支給額が少ないのですか?この先30年後、本当に年金制度に頼っていいのでしょうか。(男性、1973年生まれ)
1ヶ月でも厚生年金保険に加入していれば、老齢厚生年金をもらうことができます。しかし、相談者のこれまでの公的年金加入状況は厚生年金保険(8年2月)のみですから、このままでは老齢厚生年金は支給されません。老齢厚生年金をもらうためには、今後、国民年金に加入し受給資格期間である公的年金加入25年以上という要件を満たさなければなりません。この要件を満たせば、65歳から老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金を受給することができます。今まで納めた厚生年金保険の保険料は無駄にはなりません。
年金の支給額は、国民年金のみに加入してきた人と厚生年金保険に加入したことがある人とでは、当然に差が生じます。なぜなら、厚生年金保険の加入期間は国民年金の第2号被保険者期間でもあるため、この期間は両方の年金額の計算の基礎になるからです。
例えば、国民年金から支給される老齢基礎年金は、厚生年金保険に加入していた人に対しても国民年金のみに加入していた人に対しても原則的に同じ額のものが支給されます。
それに対し、厚生年金保険から支給される老齢厚生年金は、厚生年金保険に加入していた人のみに、老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。
つまり、厚生年金保険に加入していた人の年金は、そうではない人の年金に比べて老齢厚生年金の分だけ多くなるのです。
今後も、政府は、公的年金制度を存続させるためにあらゆる改革を行うでしょう。私も最低限度の生活保障としてこの制度が存続し続けることを願っています。ただし、これはあくまで最低限度の保障ですから、より安定した生活を求めるなら私的年金などの利用も考えてみるべきかもしれませんね。
(2000.7.4掲載)
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